第2章〜はじめての寄り道〜 Nikon Coolpix P900
2話にしていきなり寄り道を挟みます。
(引用)Nikon
発表当時からカメラ業界を激震させた?望遠性能に飛び抜けたカメラです。
野球撮影に熱中していた私は当然のごとく性能に惹かれ即購入を決意しました(笑)
性能うんたらについては語り尽くされているであろうカメラなので端的に長所・短所・私感を述べます。
長所
・35mm換算2000mm相当でも手持ちで実用可能な手ぶれ補正性能の凄さ
・ズーム域の広さ
・2000mm相当なのにこの大きさ
惜しいところ
・マニュアルでのピント調整の難しさ
・センサー小型化に伴う画質の著しい劣化
超望遠だからこそ正確なピント合わせが必要とされるのですが、このカメラのマニュアルピント調整は背面のダイアル回転によるものです。
どうにかレンズ銅鏡部にピントリングを設置できなかったものか...と思ってしまいます。
Nikon自身も販促パンフレットで木のウロに佇むフクロウの写真を載せていましたが、鳥撮りの方々からも注目されたカメラだけに望遠を追い求めるあまり、操作感の部分と画質の部分で妥協を生んでしまうこととなりました。
まるでその様は、攻撃力だけに特化したせいで武器として大切な耐久性と列車としてのメリットである運搬の容易さを失った第二次世界大戦中にナチスドイツが作ったドーラ/グスタフ列車砲の姿に重なります...
幾ら超望遠のために仕方のないセンサー小型化であったとしても、焦点距離2000mm相当での画質は正直目が当てられたものではありませんでした。
(遠くにあるものを確認するためのフィールドスコープとしては有用かも...)
鳥の翼の繊細さや生き物の生命感を描写で表現するのではなく、遠くのものを見やすくするというただ一点に技術を集中させたというイメージです。(価格的にも描写的にもPanasonicのFZ1000の方が売れてた感じですね。)
一定のラインまで完成度を引き上げた上で商品化を行うイメージが強いNikonにしては珍しい商品だったのは確かです。
企業の挑戦としては技術力を見せつけることになったわけですが、同時に当時のNikonの至らなさを見せつけてしまうことにもなったのかなとは個人的に思います。
Nikonのレンズ一体型デジタルカメラはその後に悲劇を迎えます。SONYの高級コンデジRX100シリーズに対抗すべく発表され、レンズや画質にこだわった高級コンパクトデジカメシリーズのNikon DLは製造ラインが作られず闇に葬り去られました。
まあその後、のD850で完成され切ったデジタル一眼レフカメラを出したので明日にでも潰れる心配みたいなものはないと思いますが。
革新的な挑戦であったP900の体験をできたという意味では自分は幸せかもしれないですね。
結局、すぐに中古市場に流すことになってしなった訳ですが()
購入価格50000円 中古販売価格56000円くらい
今回もご覧いただきありがとうございました。
次回はNikonのフラグシップ機のお話をできればと思います。